模擬国連とは
模擬国連は、各国の外交官に扮して国際会議をシミュレートする形で、国際問題について議論、交渉する活動です。国際問題を各国の立場から考えることによって、国際問題や国際政治について実感を伴った学びを得られることを特徴とします。
会議の議題は軍縮、紛争、人権、環境など多岐にわたります。シミュレートする議場も「国連」にとどまらず、国際条約の策定会議や締約国会議など様々です。
会議参加者は、設定された議題の下で担当国を選び、会議に臨みます。会議前には議題や担当国の政策・外交関係などについて調べ、到達目標を定め、戦略を立てます。そして会議当日は担当国の外交官に扮し、現実の国際会議と同様に演説・議論・交渉を行い、担当国が望む成果文書の採択を目指します。
模擬国連は、1920年代のアメリカのハーバード大学での「模擬国際連盟」に起源を持ちます。この歴史ある活動は世界中に広まり、各地で高校や大学を中心に行われています。日本の模擬国連活動は、模擬国連会議全米大会(NMUN)への日本代表団の派遣を目的に1980年代に始まった模擬国連実行委員会に起源をもち、現在では日本各地で高校生、大学生が模擬国連活動に打ち込んでいます。
模擬国連の魅力
国際政治の複雑さと面白さを体感できるのが、模擬国連ならではの魅力です。
模擬国連会議では、国際問題について実際に議論や交渉を行います。それらを通じて、さまざまな力や理想がぶつかりあう国際政治の姿を身近に感じることができます。
社会で生かせる多様なスキルを習得できるのも、模擬国連の魅力のひとつです。
会議の準備段階では、会議で扱う問題について担当する国から対立する国まで、さまざまな国の立場を理解し、会議本番の戦略を用意します。会議本番では、スピーチ・討論・交渉を行います。模擬国連活動に参加し、会議準備と本番を繰り返す中で、課題を多角的な視点から捉える力や、コミュニケーション能力、論理的思考力が身につきます。
また、模擬国連活動に参加することで、地域や所属大学の垣根を超えた繋がりを作ることもできます。ともに会議をやり遂げた仲間は、かけがえのない友人になります。全国大会などの機会には、日本各地で模擬国連に取り組む仲間と出会うことができます。